メガネの歴史。メガネの誕生とその歴史を読む

アンティークメガネ展示室

視力を補うために使われた一番最初のレンズは、リーディングストーンというもので、13世紀の中頃にドイツで発見されました。それは物体を拡大して見るルーペのようなもので、書物の上に直接乗せて使われていたようです。メガネの原型となるものが生まれたのは1285年前後といわれていますが、定かではありません。
メガネが日本に伝来したのは1551年。イエズス会の宣教師フランシスコ・ザビエルが来日した際に、周防(現・山口県)の国主・大内義隆に献上した手持ち式のメガネが最初とされています。現在の形に近い、紐で耳にかけるタイプのメガネがあらわれたのは17世紀に入ってからです。
しかしこれは鼻の低い東洋人には具合が悪かったらしく、メガネが顔につくのを防ぐために日本人が鼻当てを発明したといわれています。 この頃になると長崎でもメガネが作られるようになり、べっ甲、水牛の角、馬の爪などが素材に使われました。17世紀の終わりには、日本でもメガネが普及しはじめ、メガネを売る店が京都、大阪、江戸に出てくるようになります。その後、日本は明治維新をきっかけに急激な西洋化の時代を迎え、やがて自国でのメガネ生産を開始します。 そして、明治38年、現在の福井市麻生津で、一大産地の幕開けとなるはじめての福井産メガネが誕生したのです。